事故物件はいつまでに売却すべき? 売却時期とポイントを解説2025.04.29

所有物件で事故が発生した場合や、事故物件を相続した際「いつ売却すべきか」と悩む方は少なくありません。売却のタイミングによっては、価格や手続きに大きな影響を及ぼすこともあります。
本記事では、事故物件の定義を再確認し、最適な売却時期とその際のポイントをわかりやすく解説します。適切な対応をすることで、スムーズな売却を目指しましょう。
Contents
事故物件の定義
事故物件とは一般的に、居住者が自殺や他殺、または孤独死などによって亡くなった経緯のある不動産を指します。こうした出来事は、物件自体の性能には影響しないものの、購入希望者や入居者に心理的な抵抗を与える可能性があるため「心理的瑕疵(しんりてきかし)物件」とも呼ばれます。
2021年に国土交通省が公表したガイドラインにより、事故物件の告知義務に一定の基準が設けられました。例えば、通常の自然死や日常生活の中での不慮の事故による死亡については、告知不要とされていますが、特殊清掃が必要だった場合などは告知対象となるケースもあります。売却活動を進める前に、対象物件がどの範囲に該当するかを不動産業者と相談しながら確認しておくことが大切です。
参照:宅地建物取引業者による人の死の告知に関するガイドライン|国土交通省
事故物件の売却はいつまでにすべき?ベストな時期を解説
事故物件の売却時期は、物件の状況や市場の動向によって最適なタイミングが異なります。ここでは、主な売却タイミングとその特徴を解説します。
できるだけ早めに売却する
事故物件は、時間の経過とともに建物の劣化や固定資産税の負担が増す可能性があります。放置するほど物件の管理コストも増えるため、早期対応が求められます。そのため、できるだけ早めに売却を検討することが望ましいです。
特に、事故物件の買取実績が豊富な不動産業者に依頼することで、スムーズな売却が期待できます。経験豊富な業者であれば、事故物件特有のリスクも織り込んだ上で適正な買取価格を提示してくれます。専門の買取業者は、事故物件の特性を理解しており、適切な価格で迅速に取引を進めることが可能です。
修繕・リフォーム後に売却する
事故物件の印象を改善するために、特殊清掃やリフォームを行うことも1つの方法です。原状回復だけでなく、内装の刷新を行うことで印象が大きく変わることもあります。これにより、購入希望者の心理的な抵抗感を軽減し、売却の可能性を高めることができます。
ただし、これらの作業には費用がかかるため、予算とのバランスを考慮して計画を立てることが重要です。リフォーム費用が売却価格に見合うか、事前に見積もりを取って慎重に判断しましょう。
事故物件を売却する際に知っておきたいポイント
事故物件の売却を成功させるためには、いくつかの重要なポイントを押さえておく必要があります。以下に、特に注意すべき点を解説します。
告知義務を遵守する
事故物件を売却する際には、購入希望者に対して事故の内容を正確に告知する義務があります。告知義務を怠ると、後に契約解除や損害賠償請求などのトラブルに発展する可能性があります。
告知内容には、事故の発生時期、場所、死因、特殊清掃の有無などが含まれます。これらの情報は、契約書や重要事項説明書に明記し、口頭だけでなく書面での説明を行うことが望ましいです。
物件価格が比較的低くなる
事故物件は、一般的な物件と比べて市場価値が低くなる傾向があります。そのため、売却価格が相場よりも下がることを想定し、価格設定を行う必要があります。
ただし、特殊清掃やリフォームを行うことで、物件の印象を改善し、価格の下落を最小限に抑えることが可能です。また、事故物件の取り扱いに慣れた不動産業者に依頼することで、適切な価格での売却が期待できます。
まとめ
事故物件の売却は、告知義務の遵守や物件の印象改善など、特有の対応が求められます。早期の売却や修繕・リフォームを行うことで、スムーズな取引が可能となります。
また、事故物件の取り扱いに慣れた不動産業者に依頼することで、適切な価格での売却が期待できます。自身の状況や物件の状態を考慮し、最適な売却方法を選択しましょう。